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優しい毒 「ディア・ドクター」

2009/07/12
ディア・ドクター

「ディア・ドクター」やっと観てきました。

人好きのする笑福亭鶴瓶さんの笑顔にはめられて
田舎のお医者さんと村人の心の交流を描く
ハートウォーミングな物語、かと思いきや、
そこは「ゆれる」の西川監督、
そんな単純な話であるわけがない。

2時間ガッツリ、人間の生き様に迫る映画でした。
以下、感想(ネタばれあり)です。

村でただ一人の医師、伊野(笑福亭鶴瓶)が失踪(しっそう)する。
村人たちに全幅の信頼を寄せられていた伊野だったが
彼の背景を知るものは誰一人としていなかった。

彼をとりまく人たちとの関係が明らかにされていくなか
浮かび上がった伊野の素性とは?

***********************************************************

「人は誰もが何かになりすまして生きている」

西川監督は今作の脚本の発想について、

「ゆれる」で映画賞各賞を総ナメにした直後
まわりから期待される「監督」の肩書にとまどいを覚えたことから始まった

と語っています。

多かれ少なかれ、わたしたちは
まわりが期待する自分
この年齢だからこうあるべきという自分
今の立場ではこうふるまうべきだという自分
になりすましている。

普段は何も感じないのに
ふと、その状態がとっても息苦しくなることがある。

物語の中盤、救急患者の処置について迷った伊野が
大竹看護婦の機転によってなんとか窮地を脱した後の場面。

自分の嘘のほころびが、隠しきれないところまで来てしまったことに慄いて
ここではないどこかに逃れようとする。
エレベーターに踏み出す一歩。

その瞬間「伊野先生!」と声をかけられてタイミングを逸するのですが、
誰もが常に、その一歩を踏み出すギリギリのところで
踏みとどまって、何事もなかったように
また日常を送っているんじゃないか?
そんなことを感じました。

物語の軸になる、がん患者の鳥飼かづ子を
八千草薫さんが演じているのですが
かづ子と伊野のシーンはどれも本当に素晴らしかった。

特に、かづ子の体調を気遣って診断に来た伊野に、
自分の命がもう長くないことはわかっている、
こどもたちに迷惑をかけたくないから
がんであることは伏せておきたい、と
「一緒に嘘ついてくださいよ」
ととつとつと懇願するシーンには号泣しました。


無償の愛で育ててきた自分のこどもに迷惑をかけたくない。
そんなふうに思わせてしまう不孝。
いま、そう考える親世代ってすごく多いんでしょうね。
いつから親子の関係ってそんなに距離ができてしまったんだろう。
自分と両親の距離感も含めて
あらためて考えさせられるシーンでした。

重いテーマを負担感なくみせるのは
鶴瓶さんの人柄そのままの温かさとおかしみ。
瑛太さんの誠実な演技でした。

西川監督は、最後まで決して誰も裁かない。
でも、映画に含まれた優しい毒が
少しずつ体にまわって、チクリチクリと心を刺される作品となっています。

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19:11 映画 | コメント(2) | トラックバック(0)
コメント
ひとことでは言えないけど
いい映画だったよね。
余貴美子さんだったっけ?
すごい良い味出してる女優さんだなぁって
思った。
瑛太も文句なしだった。
これ見てから「余命一ヶ月・・・」も見たいなぁって思っちゃった。

今ね~、久しぶりに「ハリポタ熱」が
再燃中なの。
第1シリーズからの記憶を引っ張り出してるけど
結構忘れてるんだなぁ・・・・(--)


サチコ@さんへ
ホント深い映画だった。
余さんもよかったね。
役者さんってある程度の年齢になると
生き様が佇まいに出てくるんだなって思って。
カメラって正直。

瑛太って静かなお芝居するじゃない?
強烈なエネルギーを放つ松山くんと共演したらどうなるんだろう?
いま一番みたい顔合わせかも。

「ハリポタ」はわたしも一時期ハマったよ~(笑)
ハリーが可愛かったのと
ホグワーツの全寮制の学校の雰囲気が大好きで。
今のハリーは・・・(汗)

新作、今週末公開だよね。観に行かなくちゃ!

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